宝石といえば、代表的なものにダイヤモンドがあります。その他にも様々な宝石が存在しますが、美しい色を持つカラーストーンもその一つです。
カラーストーンには実に様々な種類があり、その色も赤やピンク、オレンジ、ブルーやグリーンなどバリエーション豊富です。こちらでは当店で扱うカラーストーンの種類について、いくつかご紹介したいと思います。
基本的にはイエローであるトパーズは、数世紀にわたり世界中の人々から愛され続けてきました。日本名が「黄玉」ということからも判りやすいですよね。現在では、ピンクやパープルなど様々な色のトパーズが売られていますが、天然でブルーの色をしていることは殆どありません。斜方結晶系のため、細長い形状をしていることが一般的です。その結晶構造によりスチームや超音波洗浄を避けることが必要で、熱や太陽光線に長時間さらすと退色する可能性があります。インクルージョンがないことが多く、その透明性から人気がある宝石です。
そのブルーの濃さによりロンドンブルートパーズやスイスブルートパーズ、スーパーブルートパーズやマキシブルートパーズ、スカイブルートパーズといった名前でも親しまれていますが、基本的には無色のトパーズを熱処理と照射によりトリートメントして濃さを調整しています。ブラジルが主な産出国です。
数千年前からガーネットはジュエリーとして使われていました。エジプトのファラオのネックレスなどがとても有名です。ガーネットは立方晶系に属しています。ただし、ガーネットには12種類以上の種類があり、細かく分類されています。宝石として有名なのは、パイロープガーネット、アルマンダイトガーネット、スペサタイトガーネット、グロシュラライトガーネット、アンドラダイトの5種類です。多くのガーネットは2種類以上のガーネット種が混ざり合っています。宝石鑑定士は化学成分と特性によって分類しますが、実際の市場では、産地や色によって分類されていることが多いといえます。
ムーンストーンはフェルドスパーの変種です。フェルドスパーグループもガーネットグループのように様々な宝石が含まれ、ムーンストーン以外にもラブラドライトやサンストーン、アマゾナイトなどがあります。単斜晶系です。フェルドスパーグループの2種類の鉱物が交互に積層になっているため、光が薄い層に入り込み拡散されるため、アデュラレッセンスと呼ばれる特殊効果が生まれます。ゆらゆらとした独特の輝きがムーンストーンの特徴です。
アールヌーボー時代には特に人気があり、ティファニーやラリックなどが好んで使用した宝石です。スリランカ、ミャンマーやインドでも産出します。比較的柔らかい宝石のため、割れやすいので注意が必要です。
グリーンアメシストという呼び名は実際には正しくなく、正確にはグリーンクォーツ、もしくはクォーツが宝石学的には正しい呼び名です。ただし、クォーツの中でもアメシストがとても有名だったため、「グリーンアメシストやアメシストと同じ種類で、色もグリーンだよ」とお客様に分かりやすく伝える意味で呼ばれたものが馴染んできたためです。クォーツは実際は珪素と酸素から成り立っている三方晶系に属します。結晶のサイズによりアメシストやシトリン、ローズクォーツなどに分類されます。
カーンゴームとして知られているクォーツがスモーキークォーツです。スコットランドのカーンゴーム山で採掘され、伝統的に飾り石として使われてきた宝石です。また、色合いが珈琲にたとえられることもある宝石で、その色味からビクトリア期後半には、モーニングジュエリーとして流行したこともあります。現在では、ブラジルがメインの産出国ですが、スイスやアメリカでも産出します。地中奥深く宝石が形成される時に浴びる自然放射線が原因で、照射によりアルミニウムの不純物に関連する色ができると言われています。
アメシストは古代ギリシャ時代から着用されている宝石です。古代ギリシャ人は、魔法の力を備えていると考えていました。かつではロシアが巨大産地でしたが、現在はアフリカ、南米などで産出されています。熱処理が一般的です。
トパーズと混合されがちですが、シトリンはクォーツの仲間です。微量の鉄が含まれることによりブラウニッシュ・オレンジになります。熱処理されていることが一般的です。ボリビア、スペイン、マダガスカル、メキシコ、ウルグアイ、またブラジルなどから産出します。
レモンクォーツという呼び名は実際には正しくなく、正確にはクォーツが宝石学的には正しい呼び名です。ただし、「クォーツと単に言うだけでは可愛くないことと、色がわかりにくいので、せっかくならお客様に判りやすいように」と可愛いレモンを取り呼ぶようになったのが定着しつつあるものです。クォーツは珪素と酸素から成り立っている三方晶系に属します。結晶のサイズによりアメシストやシトリン、ローズクォーツなどに分類されます。
地球上で一番多い鉱物のひとつでもあるローズクォーツは、パステルカラーの色味により古くから世界中で親しまれている宝石です。宝石学的に言うとクォーツの一種で、ピンク色のクォーツを指します。価格だけでなく、大きさや、内包物のムラや色味によっても様々なローズクォーツは、パワーストーンとして使われているもの、宝石として使われているものと大幅に異なります。ブラジルがメインの産出国で他にもインド、マダガスカル、スリランカでも採れます。恋愛運アップのパワーストーンとして有名なローズクォーツ。オパールやトルマリンと並び、10月の誕生石のひとつとされています。和名は一般的には「紅水晶」ですが、「紅石英」や「バラ水晶」などとも言われています。