金の持つ性質や希少性から、「国境を越える通貨」「永遠不滅の資産」と言われていますが、金の持つ性質にはどういったものがあるのでしょう。
金は有名なツタンカーメン王のマスクにも使用されており、今でも美しい輝きを放っていますが、これは金の持つ耐腐食性によるものです。金は空気中や水中においても酸化することはなく、高い耐腐食性を持っていると言われています。そのため、王水(塩酸と硝酸の混合液)以外の酸では金を溶かすことはできないのです。こういった何年経っても美しさを保ち続ける金に魅了される方は多いでしょう。
金はとても柔らかく、加工がしやすいという特性を持っています。金を叩いて平面に薄く伸ばし、糸のように細くすることもできるのです。約1gの金があれば畳半分よりちょっと大きいくらいまで伸ばすことができるとも言われているので、非常に加工しやすいのです。
金が加工しやすい理由に、融点が低いということがあります。鉄の融点は1535℃、銅の融点は1084.5℃となっていますが、金の融点は1064℃と鉄や銅と比べて低いのです。そういったことから簡単に加工することができるため、金は様々なものに使用されています。プラチナは1076度と融点が高いため、加工時には、ガスバーナーではなく、酸素バーナーを使います。
ちなみに沸点は2856℃なので、火事などで金が灰になることはありません。そのため、金は家宝として大事にする方も多くいらっしゃいます。